一般的に漁船とかヨットなどのエンジンは車のエンジンと構造が似て、クラッチとか後退ギアとかあります。
それに比べ、大型船はエンジンとスクリューの直結構造が多く、それ以外でも可変ピッチとか可変方向でもクラッチや後退ギアは存在しません。
では、ブレーキなどで前進から後退にする時はエンジンの燃料をカットしてエンジンが停止するまで待ち、それからエンジンの回転方向をかえるように圧縮空気入れて徐々に再始動させます。
航行中のタンカーの停止距離が4Km、約15分以上かかる場合があります。大型バスと違います。
海上衝突予防法第18条には
第十八条 第九条第二項及び第三項並びに第十条第六項及び第七項に定めるもののほか、航行中の動力船は、次に掲げる船舶の進路を避けなければならない。
一 運転不自由船(故障その他で他の船を避けることができない船)
二 操縦性能制限船(しゅんせつ等の作業中で他の船を避けることができない船)
三 漁ろうに従事している船舶(操業中の漁船)
四 帆船
2 第九条第三項及び第十条第七項に定めるもののほか、航行中の帆船(漁ろうに従事している船舶を除く。)は、次に掲げる船舶の進路を避けなければならない。
一 運転不自由船(故障その他で他の船を避けることができない船)
二 操縦性能制限船(しゅんせつ等の作業中で他の船を避けることができない船)
三 漁ろうに従事している船舶(操業中の漁船)
となりますが、停止距離が4Kmもあるタンカーからは避けるのが無難です。衝突する恐れがある時、タンカーは停止しようとしているかも知れませんが、汽笛をならして転針します。汽笛の意味を理解しましょう。
(操船信号及び警告信号)
第三十四条 航行中の動力船は、互いに他の船舶の視野の内にある場合において、この法律の規定によりその針路を転じ、又はその機関を後進にかけているときは、次の各号に定めるところにより、汽笛信号を行わなければならない。
一 針路を右に転じている場合は、短音を一回鳴らすこと。
二 針路を左に転じている場合は、短音を二回鳴らすこと。
三 機関を後進にかけている場合は、短音を三回鳴らすこと。
相手が汽笛を1回鳴らしたなら、あなたの船を避けるために右旋回してる状態です。
海上衝突予防法のリンク
セーリング中、エンジンを併用する場合は「動力船」となります。